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古いThinkPad Edge11をDebianで現役復帰させてみる

Last updated on 2020年4月24日

WordPressのテスト用に、古いノートPCをレストアして使うことにしました。

ThinkPad Edge11の思い出

ThinkPad Edge11を買ったのは2011年4月です。11.6インチ液晶1,366×768、Core i3-380UM、2GB メモリ 、250GBハードディスク、WiMax対応無線LAN、Windows7 Home Premiumを搭載した量販店モデルを通販で購入しました。

実はこのノートPCを買った当時、家族で東京を離れて大阪で過ごしていました。PCは泊まっていたホテルに送ってもらいました。

会社のノートPCは持って行ったのですが、大阪滞在中にプライベート用に使えるPCが必要でした。ウェブとメールが使える程度でいいので、かさばらない、丈夫なモデルということで選びました。昔からのThinkPad信者です。

震災のときのことです。オフサイトオフィスの開設と業務継続が任務でした。

大阪から戻った後は、8GBメモリと256GB SSDに換装、LTEモデムを増設、Windows7 Professionalにインストールしなおして、会社のDR演習に使ったりしました。会社が貸与するPCを受け取れない状況で、個人所有のPCを使った場合で、かつ自宅ではなく避難先というシナリオです。

業務遂行のための手段を講ずるのが役目だったので、シナリオも自分で立てたのですが、このシナリオの状況が本当に起きたら、電話、電卓、紙と筆記用具を使いますね。あとは、作業結果を伝達して共有するためにスマホのカメラがあれば大丈夫です。

これで仕事ができない人は、自分の仕事がわかっていないので、緊急時に役割を振ってはいけません。そういう人は間違えて莫大な損害を発生させる可能性があります。想定の範囲外のことに対応するには、対応できる才能を持つ人を選んで育てることが必要です。誰でもできる、は幻想です。

これまでの仕事人生で唯一納得した教えは、最後は人間の手と目で確認することの大切さです。システムが~とかデータが~とかいう人は、自分がしている仕事を説明できないですね。操作しか話せない。だいたい、何の仕事をしているのかという意識も持っていない、と思います。これは確信に近いです。

脱線しました。。。

スマホとタブレットに替わられて出番なし

ThinkPad Edge11はその後、何度か旅行に持っていきましたが、スマホとタブレットを買ってからは出番がなくなりました。

正直言って持ち歩くには重いです。 ThinkPadの名前を冠するだけあって丈夫ですが、上位のXシリーズのようなカーボン素材でなく、スチールが使われています。そのおかげで1.5kgあります。 大きさはモバイルですが、重さはデスクトップ置き換え用の14インチと大差ありません。

ThinkPad Edge 11にWindows10は重過ぎる

もう5年以上放置していたThinkPad Edge11ですが、今回、WordPressだけが動けばいいと思って、引っ張り出しました。

ちょうど、Windows7がサポート切れということもあって、まずWindows10にアップグレードしました。

以前、Windows10がリリースされた時に、アップグレードしてすぐにWindows7に戻したので、今回は無料でした。

Windows10のアップグレードはできても、動作が遅くて使い物になりません。画面の裏でひたすら何かが走っていて、反応が恐ろしくにぶいです。

WordPressをインストールするどころではなく、そもそもWindowsでサーバーを動かすのは面倒なので、早々にOSの入れ替えを決めました。

そういえば、Lenovoの製品サポートも終了していました。

Debianを入れる

最近のLinuxのディストリビューションは、デスクトップ環境も簡単に作ることができます。昔はこうではいかなかったのに今は便利になったものだと感心すると同時に、XFree86で苦労していた頃をなつかしく感じました。

一番普及しているのはUbuntuだと思いますが、性格が天邪鬼なので少し趣向を変えてDebianを入れることにしました。

DebianはUbuntuの本家なので、素に近いというか、余計なUIをかぶしていない分軽くて安定しているはずです。

また、ラズパイなどで使われるArmbianもDebianの派生なので、大元を押さえておいた方がいいと考えた次第です。

導入後のパフォーマンス

結論から先に書くと、Debianを入れたThinkPad Edge 11は快適に使えます。OSの起動も早く、アプリケーションの起動も待たされる感はありません。

Windows10だとFirefoxを起動するときに、クリックしてから間が空きました。クリックし損ねたと思うくらいです。

これがDebianだと、Windows10であってもi7を積んでいるメイン機と同じレスポンスの早さです。

USBブートでDebianをインストール

インストールも簡単になりました。DVDイメージをダウンロードして(https://www.debian.org/CD/http-ftp/)、そのイメージをRufus (https://rufus.ie/)でUSBに書き込めばブートUSBが出来上がります。

電源投入後にリターンF12でUSBブートした後はインストーラのメニューをほとんどそのまま受け入れれば終了です。

インストールの後半で、パッケージの追加があります。sshを入れておけば後で何とでもなります。

面倒なら、全部入りでいいと思います。その場合は、Microsoft Office互換のLibreOfficeなどの生産性ツールもインストールされます。

デスクトップ利用にはこれで十分だと思います。

インテルの無線LANドライバは自分で入れる

インテル Centrino 6250無線LANカードは、完全フリーではないドライバが必要です。先に用意していない場合は、後からインストールする必要があります。

ドライバを後からインストールする場合は、それまでは無線LANが使えないので、OSのインストールに有線LANが必要になります。

インテル無線LANドライバのインストールはまず、リポジトリの追加をします。

$ sudo vim /etc/apt/source.list

でsource.listを編集して、次の2行を追加します。

deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ buster main non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ buster main non-free

エディターはvimでもviでも好きなものでいいです。

次にドライバをインストールします。

$ sudo apt update && sudo apt install firmware-iwlwifi

firmware-iwlwifiというパッケージにインテル無線LANドライバが入っています。

その他の追加パッケージ

自宅には、Windows、Mac、NASにスマホやタブレットがあるので、相互にファイルのやり取りが必要になることが多いです。

そこでSambaを入れておきます。

$ sudo apt update && sudo apt install samba

インストールしたら、smb.confを編集してリモートからホームディレクトリへアクセスできるようにします。デフォルトだとリードオンリーになっていたのでライト可能に変更しました。

$ sudo vim /etc/samba/smb.conf

(smb.conf)

[homes]

read only=no

次にpdbeditでユーザーを登録します。

$ sudo pdbedit -a <ユーザー名>

sambaデーモンを再起動します。

$ sudo systemctl restart smbd nmbd

これで、リモートPCから自分のホームディレクトリが見えるはずです。例えば、Windowsならエクスプローラーで

\\<debianホストのIPアドレス>

を打てば、自分のディレクトリが見えます。

なお、Windowsのログインユーザー名とSambaのユーザー名が同じでなければ見えません。smb.confのデフォルトでは、ユーザーの一覧は見えないように設定されています。

キーボードの不具合と交換

実は、久しぶりに電源を入れたら、何かのキーが無限連打になってしまう不具合が出ました。BIOSに入ろうとしても同じ現象が起きるので、ハードウェア故障と判断しました。

PCそのものの買い替えも考えましたが、キーボードの交換を試したくて、まずは取り寄せました。

たまたま、何故かAliexpressで日本語配列のキーボードが出品されていたので、注文したらなんと2週間で届きました。

ちなみに、価格は1,650円でした。格安です。

交換後、BIOS画面のビープ音と動作スタックはなくなりましたが、Windows10のログイン後に症状が出続けます。

その時点で、廃棄を考えたのですが、症状がOSレベルになったことから、廃棄の前にDebianを試してみようと思って、インストールしたらビープ音はなくなりました。

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